平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、家屋の倒壊等により多数の尊い命が奪われ、また六甲山系においては600箇所近い山崩れや落石被害が発生しました。
ロープネット・ロックボルト併用工法は、この大震災を契機として、林野庁の補助事業として兵庫県および愛知県により開発された斜面安定工法で、豪雨だけでなく大規模な地震に対しても高い補強効果が確認されている工法です。
基本構造は、地表面を格子状に覆うロープネット、地山に挿入・打設されるロックボルト、ロープネットとロックボルトを連結する支圧板からなっており、これらが相互の動きを補完しながら斜面の安定化を図ります。
ロープネット・ロックボルト併用工法は、コンクリート法枠・ロックボルト併用工法に比べて安価であり、さらに構造上樹木の伐採を少なく施工できることから、斜面の安定性向上とともに自然斜面において森林が保全できるなど、「コスト縮減」、「環境保護」および「景観の保全」にも配慮できる工法です。