ロープネット・ロックボルト併用工法とは

工法の特徴

ロープネット・ロックボルト併用工法の概要

潜在崩土層厚の2倍以上の長さのロックボルトを2m間隔の千鳥配置で打設します。

1.本工法の要求性能

本工法は、ロックボルトを斜面直角方向に打設し、その頭部を支圧板とロープネットによって連結することにより斜面安定を図るもので、以下の3つの要求性能を有するものとする。

  1. 本対策工は、豪雨、地震時において、斜面の変形および破壊状態に対応して各部材が効果を発揮することにより、変形抑制する機能を有する構造であること。
    • 初期から亀裂発生までは支圧板(※1)付きのロックボルトの軸力が発生し変形を抑制する。
    • 亀裂発生から局所破壊にかけて、支圧板付きのロックボルトの変形抑制に加えロックボルトの頭部変位を通じてロープネット張力が発揮され変形を抑制する。
  2. 各構造部材は、防食に対しても十分に配慮すること。
  3. 局所破壊(※2)に至ってもロープネットが破断、ロックボルトが引き抜けず、斜面移動土塊が下流部に流出しないこと。

※1:支圧板は、ロープネットとロックボルトの働きを補助する役割を有する構造とする。
※2:局所破壊とは、地盤の中規模な破壊形態の定義。局所的な崩落を含む地盤沈下、のり尻隆起などの残留変形を伴う破壊状態をいう

2.コスト縮減

本工法は法枠と鉄筋挿入工を併用した従来ののり面工と比べて2割程度(※3)安価です。

※3:「従来工法との比較表」参照

3.環境・景観に配慮

本工法は、ロックボルト・支圧板・ロープネットで構成され、従来ののり枠工と比較して、直径も細く、柔軟なワイヤーロープ構造物であることから、既存樹木のある斜面で施工する場合でも樹木の伐採を少なくすることができます。そのため植生のある自然斜面においても森林が保全できるなど、斜面の安定性向上とともに「環境保護」および「景観の保全」にも配慮できる工法です。

ロープネット・ロックボルト併用工法の構造概要(例)